留学後新卒で入った大企業を7ヶ月で退職したAさんから留学生に送るメッセージ

留学後新卒で入った大企業を7ヶ月でやめたAさんから留学生に送るメッセージ

今回は新卒で入社した会社を7ヶ月でやめ、ベンチャー企業へ転職された方へのインタビューとなります。 現在はスタートアップでバリバリ働いているAさんだからこそ伝えられる、 今だったらどうするのか、当時の自分へそして今の就活生に向けてメッセージをいただきました。 必ずしも大企業がダメといくことではございません。だた、大企業だけ見るのはもったいないかと思います。

1.留学時代

ーまず、簡単にこれまでの経歴をお伺いできますか?

日本の高校を卒業し、2年間はアメリカのコミュニティカレッジに通いました。
コミュニティカレッジ時代はグローバルカルチャークラブ(グローバルなテーマでディスカッションする)というクラブを立ち上げたのに加え、慈善事業を精力的に行い、ボランティアやクラブ活動に打ち込みました。
その後、アメリカの公立大学(以後「B大学」)に編入し、国際関係学部に所属して、政治・経済・国際関係などを総合的に学びました。

2.大企業中心だった就職活動

B大学に編入してからまず、日本人生徒会 (Japan Student Assosiation)に参加しました。

ーなぜJSAに参加されたのですか?

JSAの中でも特に企業と大学をつなぐ窓口担当になったのですが、理由は明確で、日本人がアメリカの企業でインターンすることがキャリアにとってプラスになるのか疑問に思うところがあり、JSAのキャリア担当になれば日本企業や大企業の採用担当者の生の声が聞けると思ったんです。

キャリア担当の仕事(企業の採用担当者とのやり取りなど)を業務としてやっていく事は、自分の就職活動にも非常に役立ちました。当時自分はボスキャリをゴールに定めていたので、そこを目標にJSAでお繋ぎした企業と個別で会ったりしていましたね。

他にも、ボスキャリに限らず米国内の就職フォーラムにはいくつも参加しました。

ー就職活動では最初から大企業のみ受けていた?

はい。大手中心でした。新卒で就職したC社もやはり大企業。C社だけはどうしても自分を採用したいという熱量で来たし、自分も入りたいと思っていたので心が動かされました。

ー大企業は自分に合わないとは思わなかったですか?

面接の中で、「A君は大企業向きじゃないよ」と言ってくれたコンサルの人事担当者の方にお話頂いたとき、納得する自分もいました。
本心で語ってくれる担当者ってほとんどいないので印象に残っています。
そうはいっても大企業は、社会の中で大きな影響力をもっており、その中で仕事が出来る事は素晴らしいだろうと思っていました。
面接を通して結構尖ったことも言っていたので、もっと抑えていれば面接を通過した企業はあったと思います。
でも、そんなことはしたくなかった。ありのままで面接を受けて、それでもぜひ採用したいと言ってくれたのがC社でした。

ーC社は他の大企業と違っているように感じた?

大企業しか知らなかった自分にとっては、C社のメッセージがとてもスタートアップマインドにあふれるものに思えたんです。近年、売上高も毎年過去最高更新していましたし、

そのメッセージというのはスタートアップが当たり前のように言っていることで、普通のことなんですけど、知らないがゆえに革新的に感じたのはあるかもしれません。当時、スタートアップを受けるという選択肢もなかったですからね。

ーC社内定後も就職活動は続けた?

就活は続けましたが、やはりいずれも大企業でした。他の選択肢を知らなかったのが今からすると問題だったと感じています。単純に知らないから、大企業で成りあがっていく選択肢しかない。当時wantedlyなどもあったけど、名前は知ってるって程度で、それって活用できるのは東京にいるからで、海外にいるとなかなか使えないんですよ。勉強そっちのけで就活をやりたいって気持ちがあれば、頻繁に帰国して出来たかもしれませんね。

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4.イメージの違いに苦しみ、退職に至った

ー改めて、C社に入社を決めた理由を教えてください

C社に入社を決めたのは、経営者が圧倒的にカリスマ性がある人なので、そこで直にふれ、勉強してみたいという思いが強かったからです。世界的な大企業だけど、再度スタートアップ化しよう、と言うことを社長が旗振りして言ってたんですね。

ー入社してはどのような業務を担当しましたか?

入社する前は人事部付けでインターンを経験しました。正式採用になってからは、小売りの企業なので、まず現場経験をし、そこでマネージャーになれるかという事が一つの関門になります。ここでまず大企業特有の問題に直面しました。
それはすでに決められたルール・マニュアルをいかに早く体得し、自分の中に落とし込めるかが大切になります。それはKPIをいかに上げて、求められている事を高速でこなせるかが大事です

それは同時に自分が得意とする、 “心で深く感じ、頭でじっくり考えてクリエイティブに新たな事を生み出すという事を必要とされない、してはいけない環境に身を置くことになります。
また、新入社員が憧れるような意思決定に関わっていて、幹部になっているような役職の方々と一緒に仕事をする機会は大企業の場合、1~2年でやってくるというものではないんです。

C社にしてもそれは同じです。

ー体力もですが、精神的にもきつそうな環境ですね。

そうですね。ここはきついな、というのが確信に変わった出来事があって、「頭を使うな」とはっきり言われたんです。
自分は今C社を辞めてスタートアップ企業に勤務しているので、まったく逆の環境ですね。ちょっとこれはこうした方がいいんじゃないか、という提案をすると生意気扱いされてしまいます。新卒のくせに、と。

でもそれを私が非難する事は間違っています。

なぜなら世界的な大企業なので、細かなオペレーションまで網羅した最適解がマニュアルになって、本部からすでに提示されており、それこそが既に考え抜かれて出来たものであるためです。それを自分が作れないからと言って非難することは理にかないません。

ただ私の場合、こうした環境が非常にストレスになって、半年ほどたった頃に身体と精神のストレスがピークに達し体を壊しました。初めての経験だったので、これはやばいぞ、と思って。C社を辞める直接的なきっかけになりました。

ー辛かったですね。では、C社に入社したのは間違いだったと思いますか?

それはないです。悪いことばかりではなく、素晴らしい経営者にも会えたし、尊敬する人とも何人も出会えたので。間違いではなかったです。

ただ私にとって大事なことは、それを経験した上で、自分がどうすればそのエグゼクティブ層のレベルの知識・経験を最短で積めるかという事を考えていくということです。 私の場合、自分の頭がちぎれる程考え、やりたい事を再現できるようなベンチャーに行くことが近道だと考えました。

ただ、入社前にもっと大企業特有の文化を調べておけばよかったのもまた事実です。

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5.学生へのメッセージ

ーこれを読んでいる学生にメッセージをお願いします。

今になって分かることですが、就活時にスタートアップもしっかり見ておけばよかったと思います。スタートアップ向きだよと言われながら大企業ばかり見ていたので失敗しました。特に留学生は日本国内の学生に比べても情報が少なくなってしまうので、積極的に視野を広げる努力が必要だと思います。

ーやはり、留学生が得られる情報は限られていると。

残念ながらそれは事実です。自分がいたJSAにしても、もっとスタートアップを呼ぶべきだったと思います。JSAに来る案件を受け身で捌くのではなく、意思を持って会社を呼びに行くことが求められています。

留学生のインターンの仕方についても思うところがあります。よく、履歴書を綺麗に見せるためだけに、興味のない会社でインターンする学生がいます。「インターンにこの会社がいいよ」という情報だけで選んでしまうんです。けど、興味のない会社でインターンしてもやる意味がないですよね。やるのであれば、その企業を研究するためにインターンする。そうでなければ意味がないと思います。

ー留学生が就活する際に注意すべき点はありますか?

日本企業でよくあるのは、「海外大卒業していてすごいね」と経歴だけ見て評価されることがあります。でも、それは自分の本当実力ではないかもしれない。世界大学ランキングとかを見てしまえば、自分の実力を過大評価してしまいがちです。実力がないのに勘違いしてしまうと、企業の期待値とのミスマッチが発生し、自分が苦しむことになります。

大事な事は、日本のトップレベル大学の学生と互角にやっていくために海外大卒の強みを活かすポジショニングを組織の中でし続ける事が大事だと思います。

ーAさんが思う、大企業とスタートアップの違いはどんなところにありますか?

大企業の場合は、企業に自分を合わせるという作業が必要になります。

例えば、途上国と日本との間でビジネスをやりたいという思いがあって、就職して夢を叶えたい。でも、選択肢がないから何とか総合商社なら叶えられるかな、みたいな感じです。大企業であれば、このように自分の夢と事業の共通点を何とか探す作業をしていかざるを得ない。

スタートアップは、新しいことを生み出そうとする力とそれが社会で必要とされているのかという事を考え続ける力が求められます。スタートアップ企業は毎年数え切れないほど生まれ、消えていきます。そのような厳しい環境の中で、やりたいことを落とし込んでいく作業が必要になります。

なので、自分の夢や目標がしっかりある人にとっては、スタートアップの方がストレスが少ないとか思います。やりたいことをどんどんやっていけますから。

ー最後にスタートアップを選ぶ際の注意点を教えてください。

経営者は何を見て、どこに向かおうとしているのかを自分の中で腹落ちさせることが必要です。

大企業の内定を断って、ベンチャーに行こうとする人は、経営者が成長に貪欲であるか、具体的な成長軌道を描けているか、高い倫理観をもって仕事をしているかが重要になってくると思います。でなくては、ベンチャー企業は簡単に淘汰されてしまうからです。

ーありがとうございました。

 

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