海外留学後新卒でスタートアップに就職したFABRIC TOKYO佐野さん

Startup Conectando Day 2018に登壇・出展する株式会社FABRIC TOKYOに2018年新卒生として入社した佐野緑さんは、アメリカに4年間留学していました。大手化粧品メーカーに内定をもらっていましたが、FABRIC TOKYOの長期インターンを経験。結果的に化粧品メーカーの内定は辞退し、FABRIC TOKYOに入社しました。

そこで佐野さんに、アメリカでの留学経験や日本での長期インターンについてのインタビューを実施。スタートアップで働く決断するまでの葛藤を伺いました。

株式会社FABRIC TOKYO

https://fabric-tokyo.com/

“Fit Your Life”をコンセプトに、サイズだけでなく一人一人のライフスタイルにフィットするビジネスウェアのカスタムオーダーサービス。紳士服業界では取り扱いのなかった機能性に優れたオリジナル企画の生地を使用して、デザインやサイズを自由にカスタムし、自分好みのオーダースーツ・シャツをつくることができることが特徴です。クラウド上に採寸データを保存することで、登録後は自宅に居ながらでも洋服のカスタムオーダーをワンタップを楽しめる。NASAが宇宙服にも使用し体感温度調整機能を持つ素材など取り入れた「THE TECH」シリーズや、環境や人に配慮した社会性の高い「THE SOCIAL」シリーズなどのオリジナルファブリックを展開中。

ファッションバイヤーになりたい!思いだけで決めたボストン留学

FABRIC TOKYOの佐野緑さん

ーー高校生までは日本で進学されていたそうですね。なぜアメリカに留学したんですか?

ファッションバイヤーになりたいという夢があったからです。日本だと専門学校に行くことになるので、せっかくやりたいことを勉強するなら本場のニューヨークかなと思い、留学を決めました。

高校までは親の敷いたレールに乗っていたのですが、日本の大学に進学することにピンと来なかったのも理由のひとつですね。

英語はほとんど話せなかったので、高校卒業後の4月から半年ほど語学学校に通い、少し英語に慣れてから9月に渡米、ボストンの短期大学に入学しました。行けばどうにかなるだろう、という感覚でしたね(笑)。

ーー短期大学卒業後は、4年制大学に進学されましたね。大学選びの基準は何でしたか?

2年生になると編入の準備をするのですが、大きい大学に進学するか、自分の行きたい専攻のある大学に行くか、留学生はこの悩みに直面します。

すでにボストン大学には合格していて、親や周囲の友人は当然そこに進学すると思っていたようですし、わたし自身もすごく迷いました。

でもボストン大学は英語専攻だったので、本当にそれでいいのかな? と思いましたし、何がやりたくてアメリカに来たのか思い返した結果、ファッション系大学に進むことにしたんです。

ーー悩んだ結果ファッション系大学に進学されたんですね。そこでは何を専攻したんですか?

「デザイン&マーチャンダイジング」専攻です。「デザイン観点の思考」と「ビジネス観点の思考」の2つを学べる学部で、商品の長所短所を分析したり、ビジネスのアカウンティングについて学んだりしました。

ーー大学生活を総括すると、どんな印象でしたか?

正直とてもつらかったです!

留学先では、しっかり勉強していい成績を取らないと、ビザが失効して強制帰国させられてしまうんですよ。日本に戻ってもやることはないですし、もう一度大学受験するのも嫌で(笑)。授業についていくのも必死だったので、とにかく勉強していました。

「はたらく」を知りたくて。インターンで出会ったFABRIC TOKYO

ーー4年生時に半年間、日本の御社でインターンを経験されていますね。なぜ日本でインターンを?

ビザの関係上、留学生はアメリカでアルバイトやインターンをした際に給料をもらうことはできないんです。なのでアメリカでインターンをするという選択肢はありませんでした。

日本でインターンをしようと思った理由はもうひとつあります。当時すでに日本の別の会社で内定をもらっていたのですが、それまで長期のアルバイト経験がなかったので、「はたらく」という感覚がよくわからなかったんですね。

内定をもらっていても「本当にはたらいていけるのかな?」という不安があったので、その感覚を知るために長期インターンをしようと思ったんです。

せっかくファッションの勉強をしたしアパレルの商品企画をやりたかったので、インターネットで「商品企画 長期インターン アパレル ファッション」などと検索しました。そうしたらFABRIC TOKYOが最初に偶然ヒットしたので、面接を受けました(笑)。

ーー偶然ヒットしたんですね(笑)。スタートアップでインターンをすることは希望していたのでしょうか?

正直なところスタートアップやベンチャー企業に関しては、詳しくは知らなかったんです。だからとくにスタートアップへのこだわりもありませんでしたね。

ただ短期インターンは大手企業に多く、長期インターンはスタートアップに多い印象はありました。スタートアップについてネットで調べたら「これから伸びてくるのかな?」と印象はあったので、挑戦してみたいと思って応募しました。

ーーメンズファッションを取り扱うことについては、抵抗はなかったのですか?

ファッション業界を見ていて、レディースはすでに伸び切っているなと感じていたので、むしろメンズの伸びしろに興味がありました。メンズファッション自体も好きだったので、違和感はありませんでしたね。

ーーインターン前には佐野さんもボストンキャリアフォーラムに参加し、大手企業から内定をもらっていたんですよね?

ボストンキャリアフォーラムは、留学生全員参加していると思います。私も3年生の秋に行きました。留学生にとっては、現地で就活ができる唯一の機会だからです。中には、西海岸やイギリスから何十万円もかけて来ている学生もいましたね。

ボスキャリでも、大手アパレルを受けたのですが、残念ながらご縁がなく……。次に興味のあった大手化粧品メーカーからいくつか内定いただきました。インターン3ヶ月目までは、そのどちらかに就職する気マンマンだったんです(笑)。

ーーその大手企業の内定を蹴って御社に就職したんですよね。その心変わりの理由について教えてください。

FABRIC TOKYOでのインターンは、お客様に向けてSNSやメルマガを発信する業務をゼロから作っていました。でも発信していく中で、お客様がどんな人なのか知らないのに、その心を打つものが書けているのかな? という疑問が出てきたんです。

それでお客様を見てみたい! 店舗に立ちたい! という気持ちになったのが、インターン3ヶ月目のことでした。

さらに次のゴールはなんだろう? と考えはじめたんです。お客様を知り、商品や情報を売って、そうしたらさらにやりたいことが増えてくるんじゃないか?店舗も日本だけでなく海外にも出せるかもしれないしって、いろいろな可能性を感じるようになったんですよ。

そうこうしているうちに「FABRIC TOKYOではたらきたい」という気持ちが芽生えはじめて、周りに相談し始めたのがきっかけです。当時のメンターや周囲の人に相談している時点で、自分の中では「弊社ではたらきたい」と決まっていたんでしょうね。

それでいざ社長の森に相談しようと思った矢先に、森から「うちに来てほしい」と言われました(笑)。

ーー偶然タイミングがあったんですね。森社長は、元から佐野さんにオファーしようとしていたのですか?

(森)

たまたま一緒にランチに行く機会があって、FABRIC TOKYOで社員として働かないかと誘ったんです(笑)。実は佐野にオファーすることは、インターン面接から決めていました。理由は、独立志向が強かったから。

「自分で何か作り上げたい」「将来自分のお店をやりたい」などと当時から話していて、インターンとして入社してからも、言っていることがブレなかったんですよね。

だったら大手企業よりも、弊社のように0から1を立ち上げるチャンスが多かったり、事業が急成長していたりする環境でトライした方が、力がつくと思うんですよ。それでランチ中に、急いで10分くらいで誘いましたね(笑)。

ーー佐野さんはそのオファーを聞いてどう思ったんですか?

すごく嬉しかったです!

自分の心は決まっていたのですが、そこから親の説得に1ヶ月かかりました。猛反対されましたし、泣かれたりしました。

海外留学は日本の大学と比べて4倍ほどお金がかかるんです。だから両親としては、大手企業に行ってほしいという気持ちがどうしても強かったみたいで。「スタートアップに行くのは自由だけど、一度大手企業に就職してからにしなさい!」とも言われました。

でも1ヶ月ほど説得を続けていたら、親も納得してくれたんでしょうね。最終的には「自分のやりたいようにしたら?」と言ってくれました。

そうしてインターンの終わる1週間ほど前に、やっとFABRIC TOKYOに就職することが決まりました。

スタートアップで勤務するメリット・デメリット

佐野さんと森社長

FABRIC TOKYO 森 雄一郎 佐野緑

 

ーー実際にFABRIC TOKYOに勤務してみて半年ほどですよね。スタートアップならではの良さ・難しさについて何か感じていますか?

 

入社してからは、念願の店舗勤務をしています。お客様に一番近いところで採寸や商品提案などをしながら、それ以外の時間で好きな業務を考えてやっていますね。

スタートアップの悪いところではないですが、最近悩んでいたことは、年上の後輩がどんどん増えていることですね。自分の立ち位置をわきまえながらコミュニケーションを取ること、仕事を教えることに難しさを感じています。

また会社や店舗としての地盤がしっかりしていないので、自分たちで課題を見つけて作っていかないといけません。業務マニュアルもないため、自分たちで考え、作成中です。そこが大手企業と違うところですね。

他方の大手企業は元から、会社としてのシステムが出来上がっています。しかしわたしたちスタートアップは「つくっていく」という感覚です。これはスタートアップの悪くところではなく、よいところだと捉えています。

ほかには、上司との距離感が近いのもスタートアップの良さですね。人数も大手企業よりは少ないので間隔が近くて、悩んだときにすぐに相談できる環境が気に入っています。

ーー今後はどのようなキャリアパスを考えていますか?

今後やりたいことはたくさんあるので、それに向かってわくわくしています。すごく楽しみですね。わたしはFABRIC TOKYOのことが大好きなので、この思いを今後入社するメンバーに伝える仕事がしたいです。だから人事の業務も興味があります。

またレディースブランドも立ち上げたいですし、海外にも出店したいと考えています。やれることがたくさんあるので、ワクワクしかないですね!

ーー最後に、これから就活する学生に向けてメッセージをお願いします。

「決断するのは自分だよ」と伝えたいですね。

弊社で失敗したり苦しいこともあるかもしれませんが、自分で決めたことなので後悔はしないでしょう。

ーー森社長からも一言いただけますか?

(森)

大手企業とベンチャー企業のどちらかを選ぶのかは、本人の考えや志向によります。「将来起業したい」「新規事業をやりたい」「新しい価値を生み出したい」などと思っている人は、スタートアップに入るとすごく力がつくでしょう。

新しいことを始める人は決断の毎日を送っていて、それゆえに実力がついてきます。「大企業ではなくスタートアップに行く」という決断をした経験は、何事にも代えがたいことになるはずです。

大企業に入るか迷うのなら、大企業に負けないくらい大きな企業や会社をつくっていけばいい。こういった志向がある人は、ぜひスタートアップをオススメしたいですね。

ーー佐野さん、森さん、本日はありがとうございました!

 

(文)金指 歩

(取材・編集・写真)納富 隼平

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