「今やりたいこと」に正直に。UCバークレーを休学してまで起業した際に塩崎氏が大事にした価値観とは

株式会社トリピア 塩崎大地 

海外に憧れ、UC berkeleyに留学した塩崎大地氏だったが、留学1年目からはじめた就職活動でもピンとくるものが見つからなかった。そんな中、スタートアップの面白さに目覚め、「休学して起業」という選択をする。現在株式会社トリピアを運営する塩崎氏に、休学を決意するまでの経緯や、学生さんへのメッセージを伺った。

株式会社トリピア 塩崎大地 
プロフィール 塩崎大地 

株式会社トリピア 代表取締役 埼玉県の県立高校を卒業後、ビジネスコンテストで出会った同世代の仲間と民食サービスを立ち上げる。 アメリカの大学へ進学。現地で学生団体を立ち上げ、日本の高校生向けに海外進学の情報発信を行う。 YouTubeへ投稿した海外大紹介動画は計10万回再生を突破。日本の上場企業をお呼びして、アメリカで就活イベントなども主催。 その後、UC Berkeleleyの経済学部へ編入をする。 4年目で休学を決意し、周りからの反対の中、帰国。株式会社トリピアを立ち上げる。 現在22歳の大学生。 twitter: @TripiaWorld

会社概要 https://tripia.co.jp/

会社名:株式会社トリピア (Tripia.inc)
インターネットメディア及びアプリケーションの企画・開発・運営、マーケティング、ブランディング、各種コンテンツの企画・制作

挑戦する人生をめざして海外進学を決意

僕は高校生の時に、全てがなんとなくスムーズにいっていることに物足りなさを感じていました。そこまで打ち込んでいるわけでもないのに、ギターでは全国大会に行くことができたり、、スキーもそこそこ。「こんな障壁のない人生では面白くないな」と思っていました。
そこで思い浮かんだのが海外への進学です。小さい時から海外旅行に行くことがあり、海外には強い憧れがありました。それに、親の勧めで中3で2週間、高1に2週間の短期留学をしていて、延長線上に海外進学があることは分かっていました。
実は当初、僕は英語が赤点だったのです。それを克服して海外へ進学するというチャレンジングな道を選び、海外1本にしぼった、それが高校2年の秋です。英語の成績は伸び、高校最後の試験では学年トップになりました。

必死で頑張り、UC Berkeleyに合格

渡米後は語学の勉強のため、コミュニティカレッジに入りました。僕の行きたいLAかバークレーに合格するためには、カレッジで満点の4.0に近い評定を取らなければならないのです。本気で勉強しました。週に3回寝ればいいほうかなというほど、勉強漬けの日々を送っていましたね。「日本人の中でも1位になりたい」という気持ちも強かったですから。

先に知らせが来たのがUCLA。結果は不合格でした。「これだけやっても報われない。俺ってなにもできないんじゃないか」と、人生どん底の気分でした。でもその後、バークレーの合格通知がきたときには嬉しいのと、達成感から「もう、すぐ退学してもいい」と思ったほどです。燃え尽き症候群みたいな感覚でした。

ビジネスをつくる体験はワクワクする

―起業を意識したきっかけは?

僕が高校2年制の時、ビジネスコンテストに参加した先輩がいまして。その様子をFacebookで見て、「面白そうだな、来年は行ってみよう」と思い、エントリーしたら受かったのです。
そこで出会ったメンバー5人でチームをつくり、ビジネスを完成させました。プレゼンして、毎週ブラッシュアップして、ミーティングして、初めてお金をもらう、という経験をしました。

―どんなビジネスをしたのですか?

高校生向けに、「学校外での学びの場を提供する」というのをコンセプトでやっていたのですが、IT系の起業家の方や国境なき医師団の方を呼んで、一緒にワークショップイベントをやったりしましたね。会場を借りるのも集客も5人で全部やるんです。わくわくして、ものすごく楽しかった。

その頃から、そちらの友人とばかり付き合っていました。今まで付き合ったことのないタイプの友人たちで、「こんなに面白い、分かりあえる人たちがいるんだ」と思いました。その楽しさが、起業の原点になったのでしょうね。

大学進学後は「大学ではインプットに集中する」と決めていましたが、2、3回スタートアップ向けのイベントに参加するうちにスイッチが入ってしまった。「やっぱりこっちのほうが自然と楽しくなる」という、高揚感がずっとあって、授業をサボってまでイベントに行くようになっていました(笑)。

イベントでは自分と同じぐらいの若い人がスピーカーとして立ったり、コーヒーショップに入れば隣で、がつがつとスタートアップのコーディングをしていたり、そんなことが普通にある街でした。

そして思ったのです。「本当はやりたいことあるのに、なんで俺、今バークレーに来て勉強しているんだろう。勉強に逃げているんじゃないのか」と。
株式会社トリピア 塩崎大地 

冬休みに一気にスタートアップ

―「何かを始めよう」と動き出したのはいつですか?

冬休みです。1カ月間急にやることがなくなったので、日本人のいろいろな友達と、4つチームをつくってビジネスをスタートさせ、そのうち2つは問題なく進んでいきました。ファッションブランドと、今やっている旅行系サービスです。

ファッションブランドは、日本の漢字のことわざを古着にプリントして、それをアメリカ人向けに提供しようと考えたものです。

絶対お金になるだろうと思って始めたものの、友達に着てもらって写真を撮ってSNSに投稿したりしても、なんだかわくわくしなくて。結局学校が始まると、自然消滅していきました。

それに比べ、旅行系のサービスは本気になれました。カレッジの時の友達に声をかけたら「面白そう」といって参加してくれて、3人で順調にスタートしました。

スタートアップのために休学を決意

―休学を考えたのはなぜですか?

チームが完成して、自分の中でプランも練られた頃は、朝起きたら図書館にこもって、ずっとリサーチやブラッシュアップをしている状態でした。2月にピッチコンテストに参加したら「面白い」と評価されるし、楽しくて、いよいよ勉強が手につかなくなってきたのです。授業中もずっとPCでこれをやるようになって、これはまずいなと思い始めました。

当時は就活もしていたし、1カ月ぐらいどうするか悩みましたが、せっかく難関校に入れたし、お金もかかったんだから退学はもったいない。聞いたら休学は費用もかからず5年間可能ということで、「これはもう、休学するしかない」と考えたわけです。

学校の友達は否定的でしたが、決意は固まったし、気になりませんでした。休学届を出して、それから親に全部伝えました。

父親にLINEで伝えたら、すんなりOKスタンプが返ってきました。母には「そんな大事なことはちゃんと相談しなさい」と説教されましたが、反対はされませんでした。このことはラッキーだったかもしれませんね。

ただ、「ちゃんと家を借りて独立しろ」と言われ、今は一人で生活しています。

 ―他のメンバーは今どうしていますか?

10人まで集まった仲間は、就活に集中したいメンバーが抜けていき、最終的に2人の仲間が残っています。彼らは、大学を卒業はすると言っていますが、就活はしていません。今2人とは、リモートでやりとりしているんです。現在は4人で活動を行っています。
株式会社トリピア 塩崎大地

(スタートしたばかりのサービスサイト。塩崎氏提供)

大企業よりもスタートアップの方がわくわくする

―休学して起業するという意思決定はなぜできたと思いますか? バークレーなら良いところに就職できたのでは?

当時はよく、そう言われました。

僕は大学1年の時からキャリアフォーラムに行ったり、就活キャリアイベントに参加していたりしたのですが、3年間それを続けていても、どうしてもピンとくるものがなかった。自分が燃え尽きるほど熱心にやれる会社が、ひとつも見つからなかったんです。

だからこそ、「自分で始める」というほうに導かれていったのだと思います。

受験の時は自分で設定したものに対して、むりやり本気になるようにしていたけれども、起業のほうは「わくわくして、いつの間にかのめりこんでいる」といった感じで、自然と本気になれるんです。今考えたら、とても大きな意思決定をしたのだなと思いますけれどもね。

スイッチがオンになる瞬間を待とう

―「起業って危なくないですか?新卒でいいところに行けるのに、なぜ今なんですか?」という学生さんがいますが。

僕が起業すると周りに伝えると、「俺も実は」という人が少しずつ出てきていました。でも口を揃えて「休学はできない。やるなら卒業してから」と言います。

その時に僕が言っていたのは、「タイミングがくれば意思決定なんてできる」ということです。

今すぐやれとか、今できないなら起業家魂がないとか、そういうことではなくて、「自分のスイッチが急にONになる瞬間は絶対にあるから、そのタイミングを待ったほうがいいよ」と。

いろいろなことをインプットしながら、それを待てばいい。そしてその時が来れば意思決定をする。そうすれば、リスクに勝る大きな楽しみが得られると思うのです。

 起業してどうですか?不安はありましたか?

 起業すれば、落ち込むことがあっても、また次の日にわくわくすることがやってくるのが普通です。僕も泣きたい時もありますけれども、どんな起業家さんも不安はあると聞いて安心しました。それが当たり前ですから。

僕は休学して起業したことを後悔はしていません。まだまだ全然、これからです。

―本日はありがとうございました。

(スタートしたばかりのサービスの紹介動画。塩崎氏提供)

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