感染症にかかったらどうする?アメリカ留学前に知っておきたい医療事情

新型コロナウィルスで留学生も気になる、中国の医療事情 Photo by Ibrahim Boran on Unsplash

中国から始まった新型コロナウイルスの流行は日本でも始まり、世界中に感染者が広がりつつある。アメリカも例外ではなく、コロナウイルスの脅威に加え、今年はインフルエンザも大流行し多くの死者を出す事態になっている。

もしアメリカ滞在中にケガや病気をしたら、どの程度の水準の治療が期待できるかご存知だろうか。実は、先進国だから良い治療が受けられるとは限らないのだ。アメリカ特有の事情により、状況によっては治療を諦めざるをえない場合も発生しうる。

留学に出発する前にアメリカの医療事情を学習し、適切な対策をすることで、万が一の事態に備えてほしい。
新型コロナウィルスで留学生も気になる、中国の医療事情

知っておきたい、アメリカ特有の医療事情

アメリカの基本は「自己責任」

日本人は生まれてから死ぬまで手厚い社会保障に守られているので、病院に行けば治療費は1~3割負担で済み、残りの治療費は健康保険組合が直接病院に支払ってくれる。それでも手術や高度な化学療法が必要な場合は大きな治療費が必要になるが、高額療養費制度によって自己負担額にも上限が決められているので、日本に住んで標準治療を受けている限りは「病院への支払いで破産する」ような事態は起こりえない。

この感覚を持っていると大変に痛い目を見るのがアメリカの医療制度である。アメリカでは、政府は個人の病気まで面倒を見てくれない。公的医療保険は65歳以上の高齢者を対象にしたものと低所得者や障がい者を対象にしたものしかなく、大半の人は全額自己負担で治療を受けなければならない上に、入っている保険によっても受けられる治療が違ってくる。

アメリカでは保険料が高い民間保険に加入しているほど質の高い治療が受けられる仕組みになっており、加入する保険によって利用できる病院が指定される。そのため、保険に加入していなければ十分な治療を受けられないのである。

病気の際により良い治療を安心して受けるためには、常日頃からしっかりお金をかけてランクの高い民間保険に加入しておく必要がある。

分業化が進むアメリカの病院

アメリカでは医師や看護師の分業化が進んでおり、一人の患者に対し多くの人物が関わる仕組みになっているため、治療にかかる人件費が相対的に高い。これは作業を効率化する狙いもあるが、アメリカが訴訟社会なために作業をなるべく分解し、責任の所在を明確にすることによって訴訟に備えている側面もある。日本のように、手術をした医師が病室での経過観察も担当することはめったにない。

一人の先生が最初から最後まで診てくれるのは安心感があるが、アメリカ式の場合は常にその作業のプロフェッショナルが担当してくれるので、それはそれで良いことだとも思える。

アメリカの医療費は保険会社と病院の間で決まる

アメリカの医療費はとにかく高い。JTBの「2018年度 海外旅行保険事故データ」によると、ハワイで心筋梗塞になり緊急搬送・手術を受けた事例では3,052万円の保険金が支払われている。ちょっと日本とは違う次元の医療費には、こんなカラクリがある。アメリカでは、治療にかかる人件費が高いのに加え、自己負担額に不満があれば病院に対するクレームも可能。価格に国はタッチしないので、民間で自由に価格を決めることができる。病院も経営があるのでより高い金額を請求したいし、保険会社も民間なのでより高い保険料を集めたい。そうした思惑が働いた結果、アメリカは医療費の水準が非常に高い国のひとつとなった。

感染症にかかったらどうする?アメリカ留学前に知っておきたい医療事情

日本人がアメリカに行った場合の医療費はどうなる?

基本的には全額自己負担と考えておこう

日本人がアメリカで治療を受けた場合は、ほとんどの金額が自己負担になると考えておきたい。日本の社会保険も利用できるが、事前申請と病院での書類の手配、帰国後の申請が必要。英語の治療明細書はそのまま使用できるので、治療を受けた際には必ず明細書を受け取ったか確認し、帰国までなくさずに保管する必要がある。

また、社会保険を利用して海外療養費の支給を受ける場合は、実際に支払った金額ではなく「日本で同じ治療をした場合にかかる金額」で計算が行われる。日本の保険診療に含まれない治療は対象外になることも規定されており、実際はほとんどお金が帰ってこないということもある。

これらの点からすると、海外旅行保険に加入することをおすすめする。万一入院するようなことがあっても、言葉やお金の無駄な心配をする必要がなく、安心して留学生活を送ることができるからだ。

必要となる医療費のめやす

海外では救急車を呼ぶと出動代金が必要となるのが一般的。アメリカでは驚いたことに、救急車が1回出動するのに2,000ドル(20万円以上)も必要になる。ちょっと症状があったくらいでは救急車を呼ぶのを躊躇するレベルだ。

気を付けておきたいのは、歯科をカバーしていない医療保険が多いこと。最近では歯科もカバーしたプランが多くなってきたが、アメリカには高額な治療費を避けるために自分で歯を抜いてしまう人もいるという。できれば、日本にいるうちに歯科治療を済ませてからアメリカに渡りたいところだ。

海外留学で利用できる保険

アメリカ留学で使える保険は、基本的に損害保険会社が提供している海外旅行保険の長期プランとなる。3ヶ月プランから1年プランを組み合わせてカスタマイズするのが一般的。カスタマイズ次第ではほとんど変わらない保険料で入院治療費を無制限でカバーしてくれるようなものもあるので、病気になりやすい人はしっかりめに保険に入っておけば安心だ。特にアメリカは医療費が高額になる傾向があるため、できる限り入院治療費が無制限になっているプランを検討したいところ。

入院治療費だけでなく、他人にケガをさせたり他人のものを壊してしまった時に使える「留学生賠償責任」が付帯されているものがほとんどなので、保険1本で様々なトラブルに対応することができる。

最後に

この記事は留学を前提にしているが、旅行にも対応できる内容だ。短期滞在の方にもぜひ参考にしていただきたい。
お金の心配さえなければ、アメリカでは最先端の治療が期待できるのが嬉しいところ。アメリカ留学する際には必ず海外旅行保険に加入し、必ずもしもの時に備えるようにしよう。

<参考>
アメリカの医療費が高いのはなぜ?日本との医療と保険の仕組みの違いを解説します
https://ogw-media.com/medic/cat_care/2588(OGメディック)

米国で入院し9335万円の請求!海外旅行で後悔しない保険の入り方https://diamond.jp/articles/-/82621(DIAMOND online)

知らないとまずい、アメリカの医療システム

https://www.englishpedia.jp/blog/posts_doctorEnglish Pedia

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